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囃子について

ねぶた囃子とは

ねぶたの熱気を支えているのは、山車の姿だけではありません。太鼓・笛・手振り鉦(てぶりがね)が織りなす囃子のリズムが、跳人(はねと)の乱舞と一体になって、祭り全体の高揚感を作り出しています。ここでは、囃子を構成する楽器と、その種類について紹介します。

太鼓の写真

楽器紹介:太鼓

夜空に響く力強い太鼓の音は、ねぶた祭を象徴する音のひとつです。祭りの最後まで一定のリズムを刻み続けるには相応の体力と熟練が必要で、太鼓を担う人たちは「ねぶたの鉄人」とも呼ばれます。

ねぶたで使われる太鼓は、鋲を打たずに麻紐で革を締め上げる「締め太鼓」です。胴の部分は木を組んで作られ、両面に張った革をロープで締めることで音の高さや強さが決まります。締め具合や革の厚み、その日の天候によっても音色が変わるといわれています。大きさによって大太鼓・中太鼓・小太鼓と呼び分けられ、数える際は「1ガラ、2ガラ」という独特の単位が使われます。

胴に使われる木材はケヤキやタモ、栓(セン)などさまざまで、特にケヤキは木目の美しさと硬さから好まれてきました。近年は太い木材の入手が難しくなり、集成材や樹脂、アルミなど新しい素材を使った胴も登場しています。

笛の写真

楽器紹介:笛(篠笛)

夏が近づくと、街のあちこちで笛の澄んだ音が聞こえてくるようになります。太鼓とは違い体力的な負担が少ないこともあり、女性や子どもが担うことも多い楽器です。ただし、深みのある音を安定して出せるようになるには数年単位の練習が必要だといわれています。

ねぶたで使われるのは、女竹(めだけ)と呼ばれる竹で作られた横笛「篠笛」です。歌口が1つ、指で押さえる穴が7つ(6つのものもあります)あり、長さによって音の高さが変わります。長い笛ほど低い音、短く細い笛ほど高い音が出ます。

戦後、青森ねぶた祭の囃子はさまざまな団体がそれぞれの型で演奏していましたが、昭和23年に発足した保存会の活動を経て、笛の旋律は7つの節にまとめられ、「正調囃子」として統一されました。この統一は昭和30年の演奏披露をもって実現しています。

手振り鉦の写真

楽器紹介:手振り鉦

笛・太鼓とともにねぶた囃子を構成するのが、手振り鉦(てぶりがね)です。「ジャンガラギ」とも呼ばれ、笛と同じく女性や子どもが担うことも多い楽器です。ねじり鉢巻に揃いの半纏を身にまとい、シャン、シャンと小気味よい音を響かせながら練り歩く姿は、ねぶた囃子ならではの景色のひとつです。

鉦はもともと青森市の旧市内の囃子にはなく、お山参詣の囃子に付随していたものが、新市内の囃子を通じて取り入れられていったのではないかといわれています。記録によると、昭和22・3年頃に荒川青年団が市内を運行した際の囃子に鉦が使われていたのが早い例で、すべてのねぶたで鉦が使われるようになったのは昭和40年前後からとされています。

材質は、銅と錫に少量の亜鉛を加えた「砲金(青銅)」や、銅と亜鉛の合金「真鍮」で、灰皿のような形をしています。もともとは仏具の一種で、大きさは号数や直径(寸・センチ)で表されます。撞木(しゅもく)を鉦の内側の縁にこすりつけるように鳴らすことから「摺り鉦(すりがね)」とも呼ばれますが、「摺る」が「金をする(失う)」に通じ縁起が悪いとされ、「当り鉦」と呼ばれることもあります。音の響きから「チャンチキ」と呼ばれることもあります。

囃子の種類

もともとねぶた囃子は、祭りの7日間それぞれに違う旋律が割り当てられており、笛だけで合計53の節があったといわれています。それぞれの日には、次のような意味が込められていたと伝わっています。

1日目感謝の気持ちを表す
2日目神を迎える
3日目神が降りてくる
4・5日目歓喜と乱舞
6日目神を送る
最終日災いを祓い、安らかな日々を願う

現在演奏されている囃子には、「進み」「戻り」のほか、大休止・小休止・集合・小屋入れ・小屋出しなど、運行の場面に応じたいくつかの種類があります。

譜面・音源

囃子の譜面や演奏の記録を、順次公開していく予定です。